フィッシュオイルは時代遅れ?高品質なクリルオイルを選ぼう!

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このページを読むとわかること

・EPAやDHAには様々な効果がある

・しかしオメガ3脂肪酸は酸化しやすい

・また、魚油(フィッシュオイル)は重金属汚染や海洋汚染の問題があり、品質が安定しない

・南極の「オキアミ」から獲れる「クリルオイル」がオススメ

・「クリルオイル」の摂取量は1日○mg

そもそもオメガ3って何?

まず、そもそもオメガ3脂肪酸って何?といったところから説明しましょう。

脂肪酸は数多くの炭素が手をつなぐことで構成されています。この炭素は1個につき、4本の結合の手を持っており、それぞれ隣の炭素や水素と手を繋ぐことで脂肪酸が構成されています。水素の手は1本ですから、水素の手1本と炭素の手1本が結び空くことで結合が生まれているというわけです。

したがって、炭素1個が最大数の水素4個と結合した場合、CH4と言う化学式になり、これはメタンになります。

しかし、ここで水素の数が少なかったりして炭素の手が余ったしまうと、炭素は仕方なく隣の炭素の腕も借りて両手で手を繋ぐことになります。これを二重結合といいます。さらに、手が余って3本の手で手を繋いだ場合は三重結合です。

このように、炭素の腕が余らずにすべての水素など他の分子と1本ずつ手を繋いでいる脂肪酸の構造を手が飽和しているという意味で、飽和脂肪酸、逆に手が余っており仕方なく二重結合や三重結合が生じている脂肪酸を不飽和脂肪酸といいます。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の分子構造の違い 乳科学 マルド博士のミルク語り|チーズプロフェッショナル協会 より

ここで重要なポイント!

飽和脂肪酸は一般的に融点(溶けだす温度)が高く、不飽和脂肪酸は融点が低いのです。つまり、飽和脂肪酸は常温で固まっており、不飽和脂肪酸は液体なのです。また、これは体温(40度前後)の場合でも同じことが言えます。

だいぶ大雑把な言い方になりますが、飽和脂肪酸は体温でも溶けないため体の中で固まったままです。しかし、不飽和脂肪酸は体温によって溶けだします。つまり、飽和脂肪酸は体の中で固まって上手に代謝されないし、いろんなところに塊の状態で付着するので体に悪いと言われています。

POINT
一般的に飽和脂肪酸は体に悪い
さらに不飽和脂肪酸の中でもどこに両手繋ぎの箇所があるかでオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸などと名前が付けられています。つまり、前者は3番目の位置に両手繋ぎがある、後者は6番目の位置という意味です。
必須アミノ酸と同様に体の中で生成できないため、外部から摂取する必要がある脂肪酸を「必須脂肪酸」と言いますが、これにはオメガ3のリノレン酸とオメガ6のリノール酸が指定されています。
飽和脂肪酸やら必須脂肪酸やらで頭が混乱したかと思いますが、下図で整理してください。
脂肪酸の分類

※図は簡単のためにオメガ6とリノール酸、オメガ3とリノレン酸を直結させていますが、実際にはこれら以外にも多くのオメガ3,6脂肪酸が存在します。

POINT
オメガ3の中でもリノレン酸は必須脂肪酸のため外部から補わなければならない

DHAやEPAは何もの?

さて、オメガ3について理解していただいたところでオメガ3と併せて話に出てくることが多いDHAやEPAについて説明しましょう。

魚に含まれており、様々な健康効果があるとして有名なDHAやEPAですが、これらは体内ではリノレン酸から合成されます。リノレン酸はオメガ3に含まれる必須脂肪酸でしたね。そのため「リノレン酸の不足」はすなわり「DHAやEPAの不足」に直結します。

しかし、リノレン酸からDHAやEPAを合成するには多くの酵素が必要とされます。また、オメガ6系の必須脂肪酸であったリノール酸はプロスタグランジンに変換されるのですが、ここでもリノレン酸→DHA、EPAと同じ酵素を必要とします。すなわち、必須脂肪酸どうしで酵素の奪い合いが起こってしまうのです。

このような状況から 国際脂肪酸・脂質研究学会はリノレン酸からDHA、EPAの合成はごくわずかだと結論付けています(参考)

そのため、リノレン酸からDHA、EPAの合成を期待するよりは初めからDHAやEPAを摂取した方が良いかもしれません。1日の摂取量としてはDHA&EPAとして2000~2500㎎程度が良いでしょう。

DHAやEPAの効果は?

血液をサラサラにする

DHAやEPAには血小板の凝集を抑えて血液を固まりにくくする働きがあることがわかっています。

筋分解を抑える

私たちの体内では常にタンパク質の合成と分解が同時に進んでいます。その中でも分解の系に着目するとユビキチン・プロテアソーム系があります。

この系では特に不良品となったタンパク質が分解されますが、良品のタンパク質でも長い間使われなくて不要と見なされたタンパク質も分解してしまうと言う側面を持っています。筋肉もタンパク質ですから、長い間筋トレをサボっていると筋肉が段々と落ちていってしまうのはこのせいです。

この系ではユビキチンという小さなタンパク質が標的のタンパク質に結合しユビキチン化されます。そして実際にタンパク質を分解するのはプロテアソームと言う酵素です。この酵素が働くときには「 NF-κ B」という因子が必要なのですが、この「 NF-κ B」の活性化をEPAは抑制するのです。

トレーニングの時間がなかなか取れないが筋肉は落としたくない、加齢による筋肉の減少を食い止めたいという方はEPAを意識して摂ってみると良いかもしれません。

ダイエット効果

こちらの研究ではDHAやEPAに白色脂肪細胞を褐色脂肪細胞に似たベージュ細胞に変化させる働きがあることが示唆されています。

白色脂肪細胞とは我々が言ういわゆる「脂肪」でエネルギーを蓄積する働きを持ちますが、褐色脂肪は脂肪をエネルギー化して「熱」を作り出す細胞で、ミトコンドリアが細胞内に多く存在します。つまり、褐色脂肪に似たベージュ細胞を増やしてあげることでより痩せやすい身体になるのです。

 

その他にもDHAやEPAには認知症を防いだり脳を守る効果があるとされています。詳しい作用機序や文献についてはこちらの本に詳しいです。

脂肪酸とケトン体~糖質制限ダイエットの科学~ 山本義徳 業績集

フィッシュオイルは体に悪い?

さて、このように様々な効果があり、リノレン酸からの変換が期待できないため直接摂取した方が良いと言われるDHAやEPAですが、サプリメントでの摂取は気を付けるべき点があります。

オメガ3は酸化しやすい

まずオメガ3系脂肪酸は酸化しやすいという点です。

オメガ3脂肪酸は先述したように炭素の腕の数が余っている状態です。つまり、炭素は誰かほかの人と腕をつなぎたくて仕方がない状態。でも、水素は腕が1本しかないから仕方なく隣の炭素と両手で繋がっています(二重結合)。

しかし、酸素は腕が二歩なるので格好の結合相手です。そのため、酸素があれば水素とサヨナラし、酸素の方に鞍替えします。これが酸化です。

つまり、オメガ3脂肪酸はとても酸化しやすい状態なのです。

実際に「売れ筋のフィッシュオイルのほとんどが処方薬のフィッシュオイルの40倍だった」というデータもあります。

酸化した油というのはつまり「過酸化脂質」です。過酸化脂質はシミやシワ、さらには動脈硬化やガンの原因とも言われているので極力避けるべきです。

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重金属汚染の懸念がある

フィッシュオイルには魚の重金属汚染の問題もあります。

フィッシュオイルの原材料となる魚が何なのかにもよりますが、基本的には魚は大きな魚になるほど水銀などの重金属が蓄積しやすいです。つまり、それを濃縮したフィッシュオイルには少なからず重金属が含まれていると思って良いでしょう。

大型魚に重金属が蓄積する仕組み (第一薬品工業株式会社より)

海洋汚染の懸念がある

さらに近年深刻な海洋汚染の問題もあります。汚れた海から獲れた魚の油を摂りたくないですよね。

 

もしフィッシュオイルを摂取するなら第三者機関の調査によって安全性と質が担保されたNatural SourceのSuper Omega3もしくはNordic NaturalのUltimate Omegaを購入することを強くオススメします。

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フィッシュオイルよりも質の高いクリルオイルを摂ろう

最近フィッシュオイルの上位互換ともいえるクリルオイルが安く手に入るようになってきました。

クリルオイルとは南極のオキアミと言うエビから獲れたDHAやEPAのことで、南極の綺麗な海から獲れるため重金属汚染の心配がありません。また、食物連鎖の最下層に位置するオキアミから獲れる油ですから、さらに重金属汚染の懸念がないことになります。

さらにオキアミの赤い色はアスタキサンチンという抗酸化物質に由来しています。抗酸化ということはつまり酸化を防ぐということ。アスタキサンチンとの合わせ技もあってさらに酸化レベルを低く保つことができています。

オキアミはこのような小型のエビ。体調3㎝ほど。魚釣りのエサとしても用いられる。
POINT
クリルオイルは重金属汚染や酸化の懸念が少ない

クリルオイルの摂取量は?

クリルオイルの栄養成分表示を見てみると、1日当たりDHA60㎎、EPA120㎎などの表示が多いです(California Gold Nutritionのクリルオイルの場合)。

しかし、オメガ3を見るとEPA700㎎、DHA500㎎となっています(Life ExtensionのSuper Omega3の場合)。

クリルオイルは含有量が少ないように感じますが、大丈夫なのでしょうか?

 

問題ありません。

 

クリルオイルはフィッシュオイルとは違いリン脂質結合型のオイルになっています。リン脂質は細胞膜と同じで親水性があり、水分と分離せずに体内で利用されます。つまり、フィッシュオイルよりもクリルオイルの方が吸収率が良いのです。

リン脂質と聞いて思い出すのはリポゾーマルビタミンCですね。こちらもリン脂質(リポゾーム)にビタミンCを閉じ込めることによって吸収率を上げたビタミンCでした。

「リポゾーム」とは、水分と油分をうまく溶け合わせる性質を持つリン脂質によってできる球状のカプセルのことです。リポゾームは100~200ナノメーター(1ナノは1メートル×10の-9乗倍)という微粒子でヒトの細胞に馴染みやすい性質を持っています。このカプセルの中にビタミンCを閉じ込めることで服用後に消化液の影響や酸化から身を守りながら、ただちに胃から小腸に運ばれ吸収されます。このため通常のビタミンCに比べて吸収率が高く、しかも消化管を守るのでビタミンCを飲んだ際の胃痛や下痢を防ぎます。

吸収率がビタミンCの○○倍⁉新しいビタミンC「リポゾーマルビタミンC」とは? より

フィッシュオイルは嬉しい効果が多い反面、選び方を間違ってしまうと逆効果になりかねないサプリメントです。最近はクリルオイルの値段が下がってきましたから、安心安全のクリルオイルで賢くDHAやEPAを補いましょう!

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