・酸化マグネシウムの収集率は低い
・でも、マグネシウム含有率は高い!
・酸化マグネシウムはコスパ最強!
以前こちらの記事で酸化マグネシウムは吸収率が低いと書きました。
このページを読むとわかること・たくさん種類があって混乱するマグネシウムの種類とその効果を解説ビタミンEの種類とその効果をまとめた記事が思いの外好評だったので、今回はマグネシウムに着目して紹介したいと思います。[…]
しかし、もしかしたら酸化マグネシウムは優秀なマグネシウムサプリメントかもしれません。
これは酸化マグネシウムにおけるマグネシウムの含有比率が高いということから説明できます。
詳しく解説していきましょう。
マグネシウムはどのように吸収されるか?
詳しい解説に移る前にマグネシウムがどのように吸収されるのかを理解する必要があります。
マグネシウムには炭酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウムなどたくさんの種類があります。
このようにマグネシウム+αの化合物のことをマグネシウム塩といいます。(マグネシウムえんと読みます)
マグネシウムは電気陰性度が高く非常にイオンになりやすいので、天然には単体として存在しないのです。
マグネシウムの種類と特徴についてはこちらの記事で紹介しました。
マグネシウム塩を摂取し、その中からマグネシウムを吸収するためには消化の過程でマグネシウムが相手の化合物から解放され、イオン化される必要があります。
イオン化されたマグネシウムが体内に吸収されるわけです。
マグネシウム塩をイオン化するためには胃酸が必要です。
胃酸は食事をすると分泌されるためマグネシウムのサプリメントは食事と一緒に摂取すると吸収が高まるとされています。
これはマグネシウムに限った話ではなく、胃酸の分泌を妨げるような薬を飲んでいると、ほとんどのミネラルのサプリメントの吸収効率は低下してしまいます。
なぜ酸化マグネシウムは吸収率が悪いとされてきたのか
酸化マグネシウムは他のマグネシウムに比べて水に溶けにくいため吸収効率が悪いとされてきました。
これは腸での吸収率が低くバイオアベイラビリティ(生体でどれだけ利用できるかの指標)が低いことが原因です。
実際に酸化マグネシウムに含まれるマグネシウムの4%としか吸収されないとしている文献も多く見られます。
酸化マグネシウムがコスパが良い?
しかし、酸化マグネシウムには60%ものマグネシウム元素が含まれておりこれは他のマグネシウム塩に比べてかなり高い割合です。
マグネシウムと割合は分子量や原子量から求めることができます。
この辺の話は高校化学の話になるので興味がある方は勉強してみると良いでしょう。一度は聞いたことがある方も多いと思いますがmolとか物質量とかその辺の分野ですね。
苦手な人が多いモル計算の解き方を完全マスター!g/L/個数とmolとの変換、molを介したg/L/個数同士の変換を基礎か…
Mgの原子量は24、Oの原子量は16なので、1000㎎の酸化マグネシウム(MgO)の中にはMgが600mg、酸素が400mg含まれています。
酸化マグネシウムは確かに吸収率が4%と低いのですが、乳酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム、塩化マグネシウムの吸収率も9%-11%とそこまで高いとは言えません。
塩化マグネシウムの吸収率が9%とすると、確かに吸収率は酸化マグネシウムの倍以上ですが、マグネシウム含有率は26%しかないため、酸化マグネシウムがそこまで劣っているとは言えないかもしれません。
参考文献:https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/03639045.2018.1464020?journalCode=iddi20
酸化マグネシウムの吸収経路に注意
一方で、酸化マグネシウムは腸での吸収率が低いため、下痢などの消化器系の影響が出る可能性があります。
実際、強い下剤作用があるため、便秘の治療によく使われています。市販の便秘薬の成分の大半が酸化マグネシウムです。
酸化マグネシウムのマグネシウムコスパが高いのは間違いないですが、やはり酸化マグネシウムからマグネシウムを吸収しようとするとお腹がゆるくなったり下痢の可能性が高まってきます。
少量ならば問題ないでしょうが…
一番コスパの良い酸化マグネシウムの使い方
下痢をしては困りますのでごく少量の酸化マグネシウムを飲みつつ他のマグネシウムサプリメントで足りない分を補う。というのが最も効率の良い酸化マグネシウムの使い方ではないでしょうか。
酸化マグネシウムはマグネシウムサプリの中でダントツに安く、さらにマグネシウムの含有率も良いですからぶっちぎりのコスパを誇っていると言えます。
また、酸化マグネシウムは他のマグネシウム塩(塩酸マグネシウムやクエン酸マグネシウムなど)と一緒に摂ると吸収率の悪さがカバーできる、とする報告もあります。
酸化マグネシウムに他のマグネシウム塩が追加されたサプリで値段を抑えつつ、コスパ良く補ってやるのが良いかもしれませんね。